もっとその願いを強く願おうよ

君からもらった白うさぎと黒うさぎの絵本が今も本棚にある。ハードカバーの絵本だ。42歳になった時にふと読んでみた。部屋の模様替えで出てきたんだ。もらったこともずっと忘れていた。黒うさぎの男の子が、白うさぎの女の子にずっと一緒にいたいと自分の願いを伝える話だった。白うさぎの女の子は、その願いをもっと強く願おうよと言って、二人はそれを強く願った。白うさぎと黒うさぎはずっといつまで一緒にいることができた。そんな話だった。そんな話だったんだ。知らなかった。昔から僕は話、ストーリーを理解するのに時間がかかった。文章を読むのが苦手だった。印象的なタッチの絵で、素敵な話だった。こんな素敵な絵本を君は僕にくれたんだ。あの頃にこの絵本をしっかり読んでいたら、僕も黒うさぎのようにこれからもずっと君と一緒にいることをお願いしてもいい?と君に聞けていたかもしれない。君はこの絵本をなぜ僕にくれたんだろう?僕はなぜ読まなかったのだろう。読めなかったんだろう。読み取れなかったんだろう。そんな僕に君はがっかりしたんだろうな。僕はその絵本の英語版をメルカリで580円で買った。黒うさぎが自分の願いを伝え、白うさぎがもっとその願いを強く願おうよと言ってくれるシーンを切り取って額縁に入れた。部屋の壁に飾っている。

願いは伝えないと伝わらないな。あと、いつでも伝えられるわけじゃないんだな。その時その時の願いを目の前の人達にしっかりちゃんと伝えていこうと思う。