デザイン思考 課題図書 〜 システム×デザイン思考で世界を変える
システム×デザイン思考で世界を変える 慶應SDM「イノベーションのつくり方」
- 作者: 前野隆司,保井俊之,白坂成功,富田欣和,石橋金徳,岩田徹,八木田寛之
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2014/03/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これまた、いい本でした。
システム思考(ロジカル思考的な?)とデザイン思考を合わせもった思考法です。
ツールが体系的にまとめられており、さすがに1日で読んで理解…という訳には行かず。
これは、自分で買って、持っておきたいと思いました。
■姿勢
- イノベーションのループを回せば、必ずイノベーションは起こる。と情熱を持って取り組むことが、方法論や手法と同じくらい重要。
- 消費者は賢い(よい製品・サービスでないと買ってくれない)しかし、消費者は自分ではどんなものが欲しいのか分からない。
- イノベーションの条件は3つ。見たことも聞いたこともないこと、実現可能なこと、物議を醸すこと(大多数の人が賛同するようなアイデアは×)
- 多数決は、とがったアイデアを丸くしてしまうだが、全部乗せも危ない。→多機能で売れない。
- (アイデアを選ぶ時に)「どれを選べばよいのか」と悩んでいるようでは(ダメ)。なぜなら「これはいいアイデアだから早く実現したくてたまらない」と誰かー「誰も」ではなく「誰か」が強烈に思うようなアイデアでない限りイノベーションにはつながらない。
- 顧客の感じる価値と、製品の品質は必ずしもイコールではない。「高品質から高価値へ」「付加価値から本質的価値へ」
- 「バリューグラフ」で本質的価値へ。しかし、上位まで行くと「幸福に暮らしたい」など目的が抽象的になってしまう(のでその手前で止める)。
- 部分最適より全体最適。全体を部分に分けても不果実さが残る。不確実さをチャンスにするためには、木を見ながらも森を見ること。
- システム×デザイン思考を阻む4つの壁。正解を一発で出す、失敗=悪い、「まじめ」や「客観的」が正しい、範囲・枠にこだわる
- 「気づける人」になろう!興味が無いと物事をきちんと観察できない。→興味を持てるポイントを探す、または、興味が無いけど意識的に観察するトレーニングが大事。
- カテゴライズやレッテル貼りを初期段階にすると、そこで思考が停止し、新しいアイデアにたどり着けません。
- すべては行動から始まる。何もしない人、何もせずに他人の批判だけをする人は×
- 「何かをして失敗するリスク」より「何もしないことのリスク」の方が大きくなっている
- みなさんの周囲に「石の猫(寓話)」はありませんか?
■イノベーションのプロセス
スタートアップ(チーム作り、全体像把握)
↓
アイディエーション(発散、収束、アイデアを実現するためにビジネスモデルの考察、構造、可視化、フィールドワーク&プロトタイプからフィードバックを得る)
→ ニーズを確認「フィールドワーク」へ、カタチにする「プロトタイプ」へ
フィールドワーク(観察、インタビュー:ニーズを確認)
→ フィードバック「アイディエーション」へ、カタチにする「プロトタイプ」へ
プロトタイプ(アイデア・フィールドワークをカタチにする)
→ ニーズを確認「フィールドワーク」へ、フィードバック「アイディエーション」へ
↓
次のフェーズへ(イノベーションは終わりのないプロセス、情報が付加されると答えも変わる)
- 自由連想法→ブレスト、強制連想法→シナリオグラフなど
- 「ブレスト」+アルファ
ブレストの終盤では、出されたアイデアから別のアイデアを連想するように心がけると、アイデアが出やすい。
ブレストで得られたアイデアを、「親和図法」「2軸図」「バリューグラフ」「因果関係ループ図」などで可視化してアイデア群の「構造」を捉える。そして、「構造シフト発想法」で、シフトし固定観念を打ち破る。
- 「イネーブラー・フレームワーク」
意味のある多視点を見つける。何が何を実現しているのか?ふるまい、機能、物理(SW、HW)、技術 がイネーブラー(実現子)
- 「ピュー・コンセプト・セレクション」
複数のアイデアを比較検討する。できるだけユニークなアイデアを混ぜて、DATUM(基準)に設定するような普通のアイデアとの比較によって、新しい発見が得られるようにする。
【フィールドワーク】
- フィールドワークは、オブザーベーション(観察)、インタビュー
- 見たり聞いたり感じたりしたことを記録する。可能であれば写真・動画・録音。記録は、事実と解釈を書き分けておく。
【プロトタイプ】
- サービスを紹介するWEBページを作成してみる
- 「ストーリーテリング」相手目線のシナリオは「ハリウッド映画のスリーアクト・ストラクチャー」を参考に。
- 「即興」→「プレイバックシアター」「エレベータピッチ」30秒、200〜250文字。
■ワークショップをする時に
- テーマは、その組織が直面しているもっとも大きな課題がベスト
- ワークショップ後、参加者ではない人から新たなインサイトを得られることも多い。