風の歌を聴け

村上春樹の「風の歌を聴け」を読んでいる。
アイスコーヒーが美味しい。
家で入れても、それなりに美味しい。
学生の頃の、学生らしい時間を思い出して、
それに浸りたい時は、時々として取り出すのだ。
嘘ではあるが。
文庫本もいいものだ。くたびれた皮のブックカバー。
電気を消した部屋を風が通り抜ける。
学生の頃の、学生らしい時間を色どってくれた人。
あの時は、こんなことがこれからも度々は、
起こるんだろうと思ってはいたが、
そんなことはなかった。
学生の頃の、学生らしい時間を色どってくれた人への
ありがとうと、実在したはずの自分を再確認する。
洗濯機への血しぶき、いや大げさすぎたかな。
人の気持ちを読めるふりや、夜の小学校に忍びこんだり、
朝まで船室にいた時のイチゴ模様、
自転車の二人乗りと、仲間には内緒の時間差での到着、
雨で靴の中まで濡らしながら本丸を攻めたり、
高台での君からの攻撃をクルリとかわしたり、
ピカピカに光るグルグル回るものの前で、
目の前にいる人と、目の前にいない人の両方に
嘘を吐いたりした。
そんなキラキラしたこと達のことだ。